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奈良まほろばソムリエが行く。 春日若宮おん祭り 「試しの儀」

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こんにちは。ホテルサンルート奈良フロント、奈良まほろばソムリエの小出です。

今回はお渡り式に先立って奈良県庁前広場で各番ごとがそれぞれの所作を行い、出発の準備が整った旨の奉告とお祓いを受ける「試しの儀」の様子をお伝えします。

春日若宮おん祭りとは、世界遺産春日大社の摂社「若宮」の祭礼です。

若宮の御祭神は「天押雲根命」(春日大社の第三殿「天児屋根命」、第四殿「比売神」の御子神)で、 1003年に姿を現されました。1135年、時の関白・藤原忠通が、天候不順による飢饉や疫病が続いたため、その霊威にすがり、現在の春日大社本殿の南側に神殿を造営し、翌年の1136年から例祭おん祭が始まります。それ以来、大和一国を挙げるお祭りとして途切れること無く続けられ、今年でなんと、879回目となります。

17日に行われるお渡り式は古式ゆかしい装束を身にまとった奉仕者約千人と馬約50頭による時代行列。この日は市内の小学校は半日で授業を終了し、「各自おん祭りを見に行くこと」になっています。「試し之儀」は来年から本格化する春日大社の「式年造替(ぞうたい)」を記念し、祭りをより深く楽しんでもらうおうと企画されたものです。

1~12の各番が、県庁前広場を出る前、行列の途中に検知役の前で行う所作などを披露します。いわば出発式のようなものでしょうか。第1番「日使(ひのつかい)」はお供の陪従(ばいじゅう)2人が短い雅楽を演奏。第5番「田楽座」は「松の下式」で奉納する田楽の一部を演じるなど、それぞれの衣装や所作などの特徴がじっくり見ることができました。

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第一番の「日使(ひのつかい)」を先導する「梅白枝(うめのすばえ)」と「祝御幣(いわいのごへい)」

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さらに「十列児(とおつらのちご)」と続きます。彼らは後の「お旅所祭」で「東遊(あずまあそび)」を舞う少年たちです。青摺りの袍に頭には桜の飾り花を差しています。子供が舞うのは他に例がなく大変珍しいものだそうです。

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お渡り式第一番の「日使(ひのつかい)」。日使とは、関白藤原忠道公がおん祭りに向かう途中病気になり、お供の楽人にその日の使いをさせたことにちなむものだそうです。黒の束帯に藤の造花を冠に差します。検知役の前で楽人が音出しをしているところです。

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第二番、巫女。白の被衣をいただき、風流傘を差し掛けられながら馬に乗って進みます。辰市神子、八嶋神子、郷神子、奈良神子、とそれぞれに古くから春日大社に御奉仕していた郷より出されます。拝殿八乙女は春日大社の巫女さんで、「みかんこ」と呼びならわされています。かわいい呼び名ですね。

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第三番、細男(せいのお)座と相撲。礼の仕方も袖で顔を覆う独特の所作です。細男舞そのものも神功皇后の伝説による特徴著しいもので、舞の太古の姿を伝えるものと考えられています。浄衣(白衣)をまとい、舞う姿がかがり火で闇に浮かぶ様は神秘的で、謎の芸能ともいわれています。

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十番力士、行事、支証。力士はいません。黒の袍が行事、赤と緑の袍4名が支証(立会人のような人)です。18日に奉納相撲を行います。

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第4番、猿楽座。猿楽とは能の古い呼び方です。現在は金春流が出仕していますが、かつては観世、金剛、宝生を含めた大和猿楽四座が出仕していました。松の下式では「開口」「弓矢立会」「三笠風流」を演じ、お旅所の入口では金春太夫が「埒明け」を行います。「埒明け」とは柴の垣に結びつけた白紙を金春太夫がお旅所前で解いてから祭場へ入るというもので「埒があく」という言葉もこれからおこったと伝えられています。

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田楽 花笠

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第5番、田楽座。五色の御幣をおし立てて、綾藺笠をつけ、編木、笛、太鼓を持っています。おん祭りの芸能のうちで、興福寺と最も深い関係を持つ芸能集団で、かつては当日までのさまざまな行事に加わっていたそうです。現在は16日の本社と若宮社への宵宮詣、17日、お渡り前の初宮神社への初宮詣などもおこなっています。上の写真は笛役の二﨟役が頭上に担ぐ花笠で、飾りの人形は奈良一刀彫の起源といわれています。

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第6番、馬長児。山鳥の尾を立てた「ひで笠」をかぶり、背中に牡丹の造花を背負っています。被者は五色の短冊を付けた笹を持ち、龍の造り物の頭にいただいて腰に木履を下げています。短冊には「合う恋」「見る恋」「忍ぶ恋」といった恋にまつわる言葉が書かれています。

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第7番、競馬。赤と緑の裲襠装束(りょうとうしょうぞく)姿の騎者が、馬出橋からお旅所前の勝敗榊まで競い合います。昔はもっと先の馬止の橋まで走っていたそうです。もとは五双(二騎ずつ5回)でしたが、現在は三双になっています。舞楽の蘭陵王と納曽利はこの左右の勝敗によって演奏された勝負舞であるので、この結果によって、左舞の蘭陵王と右舞の納曽利の順番が決められるそうです。

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第8番、流鏑馬児。赤の水干に笠、箙を背負っているのが揚児(あげのちご)1名、白の水干が射手児(いてのちご)2名です。一の鳥居内の馬場本を祝投扇(いわいのなげおうぎ)の所作を終えてから的に向かいます。稚児流鏑馬なので、走りながらではありません。祝投扇とは持っている扇を後ろに投げる所作なのですが・・・。スイマセン、上手く撮れませんでした。

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流鏑馬稚児に付き従う随兵。本格的な鎧武者といった感じですね。めっちゃかっこいいです!

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第9番、将馬。かつて大和の大名家中より奉った引き馬の名残で、人は乗せず、かつては馬をはやして勇み立たせたりしたようです。

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第10番、野太刀。長さ5.5メートル程もある野太刀を先頭に中太刀、小太刀、薙刀、数槍と続きます。大きいこともそうですが、これだけの武器が居並ぶ様は壮観ですね。

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第11番、大和士。写真は願主役。かつて流鏑馬を奉納した大和武士の伝統を受け継いでいる一団です。流鏑馬児と共にお旅所で拝礼するそうです。先の鎧武者姿の随兵はこちらのグループだったんですねえ。

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第12番、大名行列。大名行列は江戸時代からお渡りに加わったもので、武家の礼祭の伝統を受け継いでいます。郡山藩、南都奉行と続き、「ヒーヨイヤナー」「ヒーヨイマカセー」「エーヤッコラサノサー」という掛け声とともに所作を披露してくれました。

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さて、この日個人的に一番見たかった競馬の様子です。すぐ近くを馬が二頭並んで走り抜けていくのですごい迫力でした。

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松の下式の検分役をつとめる頭屋児(とうやのちご)たち。それにしてもおん祭りは子どもがよく登場しますね。若宮様(天押雲根命)が春日大社の第三殿「天児屋根命」、第四殿「比売神」の御子神ということから、子どもが神聖化されているのでしょうか。この日はかなり寒さが厳しかったのですが、頑張ってお役目を果たしていました。

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